客先常駐だからこそ得られるメリットがある

ITエンジニアの働き方の1つとして、客先常駐という形態がある。この場合、自分の会社ではなく、他社のシステム開発を担ったり、サーバの運用や保守を行うことになる。客先ではチームに所属することもあるが、1人で仕事をする場合もあり得る。未経験者や経験の少ない人にとっては、1人で仕事をすることにかなり不安を感じるだろう。

しかし別の角度から考えると、ITエンジニアは経験がものを言う職種である。自分の会社でただ先輩の仕事を手伝ったり、困ったときは先輩や同期に教えてもらったり、助けてもらったりするよりも、自分1人で取りかかり、問題を抱えた場合、自分自身で考え調べ解決した方が、経験値は大きくなる。ITエンジニアとして早く成長したいのであれば、客先常駐は最良の選択肢だろう。

ただ客先常駐の場合、まわりで働く人すべてがお客様となる。自社で働く場合、まわりはすべて仲間だと考えると、やや、やりにくい職場かもしれない。協調性の高い人ならば、客先の人と一緒に食事に行くべきか、客先の人が残っているのに先に帰ってよいかなど、悩むこともあるだろう。ただ客先側は仕事ぶりを最も観察しているだろう。自分に与えられた仕事に邁進できる人であれば、まわりの状況など気にせず、まわりからも一目置かれるようになるに違いない。

客先常駐のITエンジニアは、まわりの環境に動じない、集中力をもった人にとっては、効率よく経験値を重ね、実力を伸ばすことができる、最適な職場である。だがもちろん良いことばかりではない。そのため常駐エンジニアの良し悪しを把握した上で判断することが大切だろう。